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ヴィクトリアン椅子の張り替え修理

葉月工房
2025年9月6日
4分で読めます

更新日:2025年10月20日

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

座面がへたった英国の椅子


お預かりした椅子について

19世紀後半のヴィクトリアン期のサイドチェアです。

使う材料

ウェビング

コイルばね

馬毛の詰め物

綿のワタ

麻布(キャンバス)

表地の布

傷みの様子を確認します


座面を外して中を見ます

表地を外すと、詰め物の馬毛が固まり、ウェビングも何か所か切れていました。

ばねも錆びて傾き、座り心地が大きく損なわれていました。

木枠の状態は、ぐらつきもなく良好でした


一方で、前脚の付け根に、小さなひび割れが見つかりました

ひび割れも合わせて補修する方針に

お客様と相談し、内容を決めました


座面は、詰め物を一から作り直す「伝統張り」でお見積りし、ご納得いただきました。

素材と方法を選びます

元の張り方に近づけるため、馬毛と麻布を使う方法をご提案


表地は、お客様が選ばれた深緑のベルベットを使いました。手触りが柔らかく、年代物の木の色とよく合います。

作業の流れをご紹介します



まず、古い表地、詰め物、ばね、ウェビングをすべて外し、木枠を清掃します。木枠の釘や古い糸も、残さず取り除きます。

枠の傷みを補修してから、作業に入ります。


ウェビング張り

新しいウェビングを、縦横に編み込むように張ります

一本ずつ強く引き、釘でしっかり固定します。張りが緩いと、座ったときに沈み込みが大きくなってしまいます。

コイルばねの設置


ばねを一つずつウェビングに縫い付け、麻紐で結んで高さを揃えます。

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

ばね結び

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

麻紐で縦横に結び、ばねを安定させます


この結び方に、職人ごとの流儀があります

ばねが傾かないよう、均等に力をかけて結んでいきます。

麻布で覆い、馬毛を詰めます


馬毛を手でほぐしながら、座面の形に整えて詰めていきます。


形を整えたら、綿のワタを重ねて、角の丸みを作ります。


表地を張る前の、座面の形ができあがりました

ここまでで半分以上の時間がかかる、大切な工程です

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

表地を張ります

生地のたるみや柄の向きを確認しながら張ります

ベルベットは毛の向きがあるため、慎重に進めます

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

角の部分は生地が重なりやすく、折り込み方で見た目が大きく変わります。


最後に飾り鋲を打って、完成です

仕上がり

新しい座面は、適度な弾力で、座ると程よく沈みます。

お客様は、座り心地の良さに驚かれていました

脚のひび割れも、補修して見えなくなりました


年代物の木の色との相性も、とても良い仕上がりです

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

修理内容: 座面の伝統張り、脚のひび割れ補修

作業期間: 約2か月

張り替えを終えたヴィクトリアン椅子の全体写真

料金: 55,000円〜(生地代は別途、お見積りは無料)。お客様のご感想はこちら


張り替えのご相談は、こちらからご相談


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