ヴィクトリアン椅子の張り替え修理
更新日:2025年10月20日

座面がへたった英国の椅子
お預かりした椅子について
19世紀後半のヴィクトリアン期のサイドチェアです。
使う材料
ウェビング
コイルばね
馬毛の詰め物
綿のワタ
麻布(キャンバス)
表地の布
傷みの様子を確認します
座面を外して中を見ます
表地を外すと、詰め物の馬毛が固まり、ウェビングも何か所か切れていました。
ばねも錆びて傾き、座り心地が大きく損なわれていました。
木枠の状態は、ぐらつきもなく良好でした
一方で、前脚の付け根に、小さなひび割れが見つかりました
ひび割れも合わせて補修する方針に
お客様と相談し、内容を決めました
座面は、詰め物を一から作り直す「伝統張り」でお見積りし、ご納得いただきました。
素材と方法を選びます
元の張り方に近づけるため、馬毛と麻布を使う方法をご提案
表地は、お客様が選ばれた深緑のベルベットを使いました。手触りが柔らかく、年代物の木の色とよく合います。
作業の流れをご紹介します
まず、古い表地、詰め物、ばね、ウェビングをすべて外し、木枠を清掃します。木枠の釘や古い糸も、残さず取り除きます。
枠の傷みを補修してから、作業に入ります。
ウェビング張り
新しいウェビングを、縦横に編み込むように張ります
一本ずつ強く引き、釘でしっかり固定します。張りが緩いと、座ったときに沈み込みが大きくなってしまいます。
コイルばねの設置
ばねを一つずつウェビングに縫い付け、麻紐で結んで高さを揃えます。

ばね結び

麻紐で縦横に結び、ばねを安定させます
この結び方に、職人ごとの流儀があります
ばねが傾かないよう、均等に力をかけて結んでいきます。
麻布で覆い、馬毛を詰めます
馬毛を手でほぐしながら、座面の形に整えて詰めていきます。
形を整えたら、綿のワタを重ねて、角の丸みを作ります。
表地を張る前の、座面の形ができあがりました
ここまでで半分以上の時間がかかる、大切な工程です

表地を張ります
生地のたるみや柄の向きを確認しながら張ります
ベルベットは毛の向きがあるため、慎重に進めます

角の部分は生地が重なりやすく、折り込み方で見た目が大きく変わります。
最後に飾り鋲を打って、完成です
仕上がり
新しい座面は、適度な弾力で、座ると程よく沈みます。
お客様は、座り心地の良さに驚かれていました
脚のひび割れも、補修して見えなくなりました
年代物の木の色との相性も、とても良い仕上がりです

修理内容: 座面の伝統張り、脚のひび割れ補修
作業期間: 約2か月

料金: 55,000円〜(生地代は別途、お見積りは無料)。お客様のご感想はこちら
張り替えのご相談は、こちらからご相談
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